Drum Stick
ドラム・スティック。 日本語で太鼓のバチ。
ドラミングの要となる物です。
僕は現在に至るまで、試行錯誤で色々なスティックを使ってきました。
良さそうなスティックがあれば購入して試しましたがなかなか定着しませんでした。
また、その時々の気分や体調によって変えたりもしたものです。
ドラムを始めた頃は、当時好きだったプレイヤーと同じスティックを使っていました。
Regal Tipの5Bというタイプで、15.3mmX406mmという太めのサイズでした。
ナイロンチップで、スティックの中にはカーボンだかなにかの芯が入っていて、折れにくい仕様だったと思います。
しかし、好きなドラマーと同じというだけの理由で使っていたので、体に合いませんでした。その人はかなり大柄な人でしたしね。
そういうわけで、そのスティックは使わなくなりまして、それから長い長いスティック探しの旅(?)が始まったのです。
当時はオークスティックが主流だったのでオークも使ったりしましたが、オークはちょっと硬すぎるし重いのであまり好きではありませんでした。 (オークの良いところは、ヒッコリーやメイプルのようにいきなり折れるということがほとんどない事でしたね。あと、安い事!)
色々と試した挙げ句、落ち着いたのがTAMAの長谷川清司さんのモデルでした。
14mmX410mmという少し長めのサイズです。材質はヒッコリー。
プロとして活動を始めた頃からしばらくはこのモデルを使ってました。
チップ形状が特に気に入っていました。
当時は演歌や歌謡曲等、比較的ソフトな演奏をやることが多かったのでこのスティックはとても合っていたと思います。
同時にZildjianのJAZZ(13.7mmX406mm)も使ったりしてましたが、これはチップ形状が気に入りませんでした。
そんな時、ひょんな事で当時の所属事務所でシグネイチャースティックを作ってもらえることになり、ZildjianのJAZZのサイズにTAMAの長谷川清司さんモデルのスティックのチップ形状を採用した、涼モデルスティック第一号(H-138RF)を作りました。
Playwood H-138RF Ryo Model (13.8X406mm)
生意気にも手書きサインが印刷されていました。
人と違ったデザインにしたかったので、スティック中央部分にゴールドのワンポイントを入れてもらいました。
スタンダードなサイズにゴールドのワンポイント! 女性奏者をはじめ、クラシックやブラスバンドのパーカッションプレイヤーには好評でした。
しかし、ロックプレイヤーはリムショットを多用する為、金の塗装が剥がれて手が金粉まみれになるという欠点がありました。
自分にとっても、このスティックは使いやすかったのですが、ひとつ欠点がありました。
塗装を普通のニス仕上げにしたのが失敗だったのです。
僕はとても汗かきなので、手のひらにもけっこう汗をかきます。
汗をかくとスティックが滑ってしまうのです。
なのでグリップ部分をヤスリで削ったり、溝をつけたりして使っていました。
その内、スピードプレイが求められるようになり、短いスティックのほうがいいのではないかと思うようになりました。
そこでマイナーチェンジしたのが第2号スティック(H-135RF)です。
チップ形状や太さはそのまま、長さだけを従来より6mm短い400mmにしてもらい、さらに汗による滑りを解消する為にグリップ部分は無塗装にしてもらいました。これは効果ありました。
Ryo Model H-135RF(13.8 X 400mm)
スティックが短くなった分、スピードプレイがしやすくなったように感じました。結構いい感じだと思っていました。
しかし、なぜかロック系のライブ終了後には手が痛くなったりするようになりました。
なぜか? いろいろ考えましたが、それはスティックが軽すぎるのだ、という結論に達したのです。
軽くて短いが故、パワープレイをしようとすると無意識に手に力が入ってしまっていたのです。
そして、ちょうどこの頃から、Dave Weckl師匠の影響で、スティックを緩く握るグリップやモーラー奏法などを意識するようになりました。
しかし、その奏法を意識すればするほどさらにスティックの軽さが気になってきたのです。
「これはスティックを変えなきゃ駄目かな?」と思うようになりました。
そして、いろいろと研究をすすめていくうちに、スティックの重さを利用して叩くと楽な事に気付きました。
だからスティックはある程度の重さがあったほうがいいのだと思うようになりました。
そこでスティックのサイズを標準に戻してみようと思いました。
(僕はスティックの標準サイズは14 X 406mmだと思っている)
早速、メーカーに行って14 X 406mmの試作品を作ってもらったのですが、どうもしっくりこない。
あまり試作品ばかり作ってもらうのも気が引けるので、他社のスティックを色々と購入して試してみました。
そこでしっくりきたのがVic FirthのDaveWeckl Evolution Modelだったのです。
Deve Weckl師匠も「奏法を変えたところそれに伴いスティックも変わった」とのことでした。
(彼はそれまで14 X 413mmというかなり長いスティックを使っていました)
Weckl師匠の新しいスティック(Evolution Model)は14.5 X 407mm、重さは約55g。
最初はちょっと重さを感じましたが、コントロールしやすかったのです。
クラシックのスネア奏者やマーチング(ドラムコー)の奏者って意外に太い(重い)スティックを使っているんです。
クラシックのスネア奏者だと15mmとか17mmとかが普通ですし、ドラムコーのスネア奏者はさらに太く18mmくらいの太さの物を使うのが普通です。
ドラムコーのスネア奏者は、その太いスティックで超絶技巧のスティックコントロールを行うのです。(まぁ、ヘッドのテンションが強めなのもあるかもしれませんが)
やはりコントロールやスピードを重視するなら、ある程度重いスティックの方がいいのかもしれません。
↑元「BLAST!」のスネア奏者、ニックエンジェルスと。
僕が持っているのは彼のスティック。まるで祭り太鼓のバチのような太さ!
というわけで、思い切ってDAVE WECKL Evolution Modelモデルと全く同じ形状、サイズ(14.5 X 407mm) のスティックを作ってもらう事にしました。
重さはだいたい平均で55gになるようにしてもらいました。
ということで2003年秋。第3号モデルが完成したのです!
涼 Model H-145KK (14.5X407mm)
(長さが違うように見えるかもしれませんが目の錯角です。全部同じ長さです。おもしろいですね)
今回は3タイプ選べるようになっています。
滑り防止のため、全くの無塗装(ニス仕上げもなし)タイプ、
グリップ部だけ無塗装のタイプ、そして全塗装の3タイプです。
全塗装タイプは自分ではあまり使う事がないでしょう。(汗ですべりやすいんで)一番かっこいいんだけどなぁ。販売用です。
色は僕の好きな紫にしてもらいました。写真では青に見えるかもしれませんが紫です。
実はこの紫、ちょっと昔に元某有名ヴィジュアル系バンドのドラマー「S氏」がY社のモニター時代に使っていたスティックと全く同じ色だそうです。(なにせ同じ工場で作っているんで)
しかし彼は現在、P社のモニターになり、赤だか黒だかのスティックに変えたそうで、もうほとぼりが冷めた頃だろうと、吾輩がその紫を採用する事になりました。(他人と一緒じゃ嫌だからね)
ちなみにP社のスティックも同じ工場で作ってたりするが....
しかし、これのプロトタイプを使っていたところ、ローディーに「あ!紫のスティック!これってSさんモデルのスティックですか?」と言われてしまった。
まだ、ほとぼりは冷めてなかったんかい!!
ま、いいか..
追記(2007/7/23)
上のスティックの改良版がでました。
Dr.涼 Model H-145R (14.5X407mm)
マイナーチェンジで、チップ部分の形状が若干変更となりまして、Dave Wecklのスティック(Evolution Model)と
同じ形状になりました。
視覚効果を重視して白いペイント仕様となっていますが、
グリップ部分は、汗による滑りを防ぐためにニスさえも塗っていないまったくの無塗装となっています。
なぜ、白くしたかというと...
紫のスティックを使っている自分のステージの映像を見て、"スティックの軌道が見えないと派手さにかける"ことに気づいたのです。
考えてみれば、視覚をも重視するマーチングバンドのスティックは、白くテーピングされたり白くペイントされたりしています。
白く塗る事によって、スティックが目立つようになり、視覚的にも派手さがでてくるというわけです。
ステージで、紫のスティックを使った時と、何も色を塗っていないスティックでは、同じ動きをした時でも派手さがまったく変わってくるのです。
さらに、汗によって滑る事を防ぐために、グリップ部分はニスさえも塗らないまったくの無塗装となっています。
これにより、ニスやペイントがされたスティックと比べて、汗によるすべりをほぼ解消しました!(当社比w)
完全無塗装版もあります。
これも汗による滑り対策には抜群のスティックとなっています。
上記スティックのご購入は
こちらからどうぞ!(送料無料です)
光るスティック!!
Playwood LS-1R LIGHT STICK 「光るスティック"涼"モデル」
1本のデータ:グリップ部直径16mm、長さ403mm、重さ90g
販売中!
お求めは、こちらからどうぞ!
待望の光るスティックです!
僕は10年前にも光るスティックを使っていた事がある。
それは外国製で、グリップエンドからコードが延びていて、電池ボックスへ繋がっていた。
綺麗に光る(一色だけど)のだが、コードが邪魔だった!そしていつのまにかどこかにやってしまった。
そしてこの度Playwoodより発売された光るスティックは、ボタン電池をグリップ内に内蔵し、七色に光る...。
操作方法はとても簡単!(難しくても困るが)手元(グリップ部)のスイッチを押す毎に色が変わる。
叩きながら色を変えていく事も可能だ。
また、振ればカラフルに見えるモードも搭載!
写真の物は試作品で吾輩がテストモニター用として使っている物だ! まだ誰も使ってない!(2004年2月現在)笑
製品版には「涼」のロゴが入ります!!
耐久性についてだが、本体には硬化プラスティックの中でも強度の高い「レクサン」とかいう材質を使っているので意外に丈夫ではあるが、調子にのってハードヒットすると壊れるかも。
まぁ、普通のスティックだって折れる" 消耗品"であるから、しょうがないと言えばしょうがない(汗)。
本当はアクリルを使用するとチップの先までまんべんなく光るらしいのだが、耐久性にかけるので硬化プラスティックとなった。
なるべくチップの先まで光らせるように何度か改良を加え、とりあえずはチップの先まで光るようになっている。
ショーアップにはもってこいだ!!
一家に1本、ドラマーには2本! 必帯のアイテムだ。
ドラマー以外にもおすすめ。お祭りやコンサートでサイリュウム(パキッと折ると化学反応で光るやつね)に対抗するのもよし!
スターウォーズごっごをするのもよし!
目立つ事うけあい!!
追記(4/21/2004)
耐久性ですが、生ドラムでしばらくテストしましたが普通に叩いてる分には大丈夫そうです。
まぁ、ショットの強さは人それぞれだからなんとも言えないけど、普通にジャズやクラシックのプレイならそんなに問題なさそう。
でもハードロッカーがフルパワーで叩いちゃったらダメだろうね、さすがに。
僕のテストでは、生ドラムで軽いオープンリムショットやシンバルショットを織り交ぜて力を入れない普通のパワーで叩いてみたが大丈夫ではあった。
今の所、電気が消えたりの故障はありません。 しかし、発光装置を内蔵しているのでオープンリムショットやハードヒットは避けた方が無難だと思います。
まぁ、あくまでも「飛び道具」としてパフォーマンス優先かな?
ステージが
暗転した中で「七色に光るモード」にして振るとかなりカッコいいです。
あと、スティックのバランスが悪いので跳ね返りがあまりなく、リバウンドを利用したプレイがしづらいです...
って、ショーアップ用だからそのへんも割り切らないとダメですね。
サウンド面も、材質が材質なので、完全にドラムを鳴らしきるのはむずかしいと思われます。
エレドラでの使用は特におすすめです。 ステージでエレドラをこのスティックで叩いたらかっこいーだろうなー。